強迫めし 『さわやか』編
O = オーダー(秩序)
なかなか理解されない「自分ルール」にも、なにかヒントがあるかも。
またしても、久しぶりの更新となってしまった。このコーナーは、「厚みのある牛肉が食べられない」私、Yutaniが好きな/苦手な食べ物・料理について、自身のOCD的な感覚と照らし合わせて語ってみる、という趣旨でお届けしているものである。
前回の更新では、いわゆる「菜食カフェ」に初めて行ってみた体験談を書いた。今回登場する料理は、ある「ご当地グルメ」。今年の8月、友達の運転する車で静岡・富士市まで日帰りドライブに出掛けたときの食事について書こうと思う。
今年8月、しょっちゅう一緒に遊ぶ友達が、ドライブに誘ってくれた。東京の西を出発し、神奈川県・相模原市を経由して静岡県富士市で「さわやかハンバーグ」を食べるための突発日帰り旅行である。「さわやかハンバーグ」とは、静岡県浜松市発のご当地レストラン「炭焼きハンバーグさわやか」のハンバーグのことだ。
以前のコラムで書いた通り、私は「厚みのある牛肉」が苦手で、ステーキなどは口にできないが、ハンバーグならOKだ。この辺の「センサリーな」さじ加減の根拠は、正直、自分でもよくわからないのだが、ミンチにすることで「肉感」が軽減され、「食材」として処理されている、と感覚的に判断しているからでは、と思う。実は私は、「さわやか」にも2回行ったことがある。2回とも、名物「げんこつハンバーグセット(250g)」を食べたが、あの時はとても満足感の高い食事となった。
ところがちょうど旅行に出掛けた8月頃から、肉類全般への苦手意識がかなり強くなってきていた。以前ならハンバーグや、焼肉(牛タン以外)は平気で食べていたが、最近、それらの「食べられる」肉も避けるようになった。ある種の感覚が、肉を食べる際に鋭敏になってきているのだと思う。その原因はハッキリとはわからないが、ちょうどその頃から、ストレスや疲れが溜まり、なかなか抜けきっていなかったことと、たぶん無関係ではないと思う。
そんな不安もあって、車の中で「最近、肉がいよいよダメなんだよね」という話を友達にした。協議の結果、「もしハンバーガー的なのがあれば、それで大丈夫なんじゃないか」という当座の結論に至った。確かにハンバーガーなら、普通のハンバーグを食べるときに伴う「切って、口に運ぶ」という動作はなくなるが、さて、どうだろうか。
静岡県富士市に到着したのが夜の20時頃。今回立ち寄ったのは、「炭焼きハンバーグさわやか 富士鷹岡店」だ。夕飯時ということもあり、店内は多くのお客さんで混雑していた。ウェイティング表に記名し、順番を待つ。30分後、席へ案内してもらった。友達は「げんこつハンバーグ」を、私は「炭焼きバーガー」を注文。この炭焼きバーガーは、ちょうどその頃登場したばかりの、さわやかの「新メニュー」だった。
注文して15分ほどで料理が運ばれてきた。厚めの肉を挟んだハンバーガーに、付け合わせはフライドポテト。不安な気持ち半分で、ハンバーガーをかじってみた。粗挽きの肉とミディアムレアの焼き加減。何回か食べた「げんこつハンバーグ」の味だ。肉の脂の味に、サウザンドレッシング風のソースの酸味、トマトや玉ねぎの風味が混ざる。付け合わせのポテトは厚切りでホクホクしていた。なんとも美味しく、あっという間に、バーガーとポテトを食べ終わってしまった。
無事、「さわやか」で炭焼きバーガーを食べることができた要因の一つは、体調だろう。この頃は日常のストレスが多く、疲れが常に溜まっていたのだが、今回の小旅行の前日は十分な睡眠を取り、精神的にもかなり落ち着いていた記憶がある。編集長タキスのコラムとも関係するが、体調や精神状態が悪いと肉類がより「無理」になってしまうのだと思う。
そしてもう一つの要因は、友達に事前に相談しておいたことだと思う。その友達は付き合いも長く、多少の困りごとでもリラックスして話せるような間柄だ。これに関しても以前書いたが、今思い返してみると、このときの食事は、人に相談することで、「協調的に」、ある種のセンサリーを実現できた事例だったのかもしれない。
Yutani(ユタニ)
1992年生の男。旅好きのライター/MC、ゲーム実況者。
坂内小法師の期間限定ラーメン「青唐うま塩」は辛過ぎた。
習慣:『半券集め』。写真は静岡ドライブのときの高速領収書。
「大師」と「本線」「高速」の字面のギャップが気に入った。