WEAR SPACEを入手!ファストレビュー①

 

ライターの青いロクです。

以前より当サイトにて有用性をご紹介し、2018年12月にクラウドファンディングの目標金額を達成したShiftall製”集中力を高めるウェアラブル端末”WEAR SPACE。先日、購入した私の手元に届きました。第一印象のレビューと、改めてこれまでの経緯を簡単にご紹介してみたいと思います。

WEAR SPACE 製品版

筆者撮影:WEAR SPACE 製品版

 

WEAR SPACEとは

 

「WEAR SPACE」は、周囲の音を低減するノイズキャンセリング機能を搭載したヘッドホンと、視界を調整できるパーティションで構成された、新しいウェアラブル端末です。オープンな空間にいながらも、「WEAR SPACE」を身に着けることで、瞬時に周囲との境界を作り出し、心理的なパーソナル空間を生み出します。
Overview – WEAR SPACE 公式サイト

 
WEAR SPACEは、パナソニック アプライアンス社デザインセンター FUTURE LIFE FACTORYにより企画・デザインされ、Shiftallにより設計・製造・販売されるウェアラブル端末です。

WEAR SPACEの製品化プロジェクトの準備中だった2018年6月、AV Watch様の記事( どこでも引き篭もれるパナソニックの「WEAR SPACE」が面白い|AV Watch )にてその存在をキャッチ。

TENTONTOでも、ひとりひとりの感覚の違いに配慮したセンサリーなデバイスが一般向けに製品化されようとしていることへの期待を込め、別記事にてご紹介しました( 発達障害当事者はウェアラブルデバイス「WEAR SPACE」の癒やしを体験するか|tentonto )。

 

筆者の使用環境

 
当初はこの器具を主にオフィスで使う予定でした。しかし”コロナ禍”以前には想像もできなかったことですが、今年3月から今日までの約4ヶ月は在宅勤務をメインとして働いていました。聴覚および視覚的刺激について過敏な発達障害者(自閉症スペクトラム障害、ASD)の私が、空調の騒音や、生活する場が目に入るわずらわしさの中、自室を労働環境として整備するのはなかなか苦労しましたし、まだ十分とは思えない状況です。

このような在宅勤務環境でWEAR SPACEがどれだけ活用できるか、実際に使用してみて私なりに評価してみたいと思います。

 

さっそく使ってみて

 

  • 防音イヤーマフと比べると、装着時の疲労感はほぼ同じ、もしくは若干少ない。
  • ノイズキャンセリング機能は既存市販品と同等と感じた。空調やPCの冷却ファンの音には特に効果があった。
  • 視覚を遮るパーテーションは、テレビでいえば”40型”程度の画面範囲に感じる。
  • (当初の仕様どおりだが)ヘッドホンではないので通話機能は無いため、WEB会議などでは使えない。

 
視界に入る視覚的刺激を減らす”集中”デバイスの先行製品化事例としては、花粉対策用の目のまわりを覆うメガネのような Zoff+集中 という商品が市販されています( 本日発売のブリンカーメガネ『Zoff+集中』、発達障害者の癒しとなるか|tentonto )。また、雑音を防ぐノイズキャンセリング機能をもった製品としては、キングジムのデジタル耳栓(MM1000, MM2000)などが、感覚過敏をもつ発達障害者にとってセンサリーな製品として受け容れられています。

WEAR SPACEが届く以前の在宅勤務期間で、私はZoff+集中とデジタル耳栓を併用しながら働いていました。今回、パーテーションと雑音のノイズキャンセリング機能が一台にまとまったWEAR SPACEのみで勤務してみると、視聴覚のノイズキャンセリング効果が一体となっていることに感覚的な好ましさを感じました。視覚ノイズの遮蔽範囲やノイズキャンセリング強度も変更可能なこと、また付け外しを一度にできることも利便性が高いと思います。
 
 
WEAR SPACE, Zoff+集中, 手元にあったヘッドホンを並べて比較

筆者撮影:サイズ比較として、WEAR SPACE, Zoff+集中, 私物ヘッドホン FOSTEX TH-7Bを並べてみた

 

外見

 
説明書によれば、寸法は約220×300×140mm(幅×奥行×高さ)。一般的なヘッドホンよりは数段大きく感じます。ノイズキャンセリング機能のあるイヤーカップを、下部から後頭部に回るアームで挟み込んで頭に固定します。

大きさが大きさなので置き場所に困っています(対処方法は検討中)。大きいフックがあれば、後頭部側のアーム部分をかけておけるかもしれません。現在は応急処置的にダブルクリップを挟んでフックにかけていますが、使用していってよりスマートな方法を考えてみたいと思います。

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筆者撮影:クリップで吊られるWEAR SPACE

 

パーテーションは布製カバーで覆われています。素材はポリエステル62%、レーヨン33%、ポリウレタン5%とのことです。オンラインマニュアルによれば、取り外し・洗濯はいずれもできないとのことで、飲食や喫煙を伴う施設での利用や、複数人での共用は注意が必要そうに思いました。後頭部や耳の横側の髪の毛はかならずパーテーションに接触してしまう構造なので、その点を考慮して清潔を保ちたいです。

※この布地については公式サイトにも解説があります( 快適性の向上を図った量産用のパーティションカバーが完成しました|公式サイト

イヤーカップの下部に、操作部・接続部が配置されています。操作ボタンに加え、充電用のマイクロUSBコネクタや、3.5mmオーディオ入力端子があります。

 
 
青いロク
 
 
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