テントントなスラング:picky

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TENTONTOエンタメ部 第23回

こんにちは。TENTONTOメンバーのYutaniです。

エンタメ部のコーナーでは、海外のスラング(隠語)をキーワードに、多くの人と感覚の違いをもって暮らす人=テントントさんの生活について考えてみる企画をお送りしています。題して、「テントントなスラング」

今回ご紹介するのは、アスペルガーの当事者にまつわるかなり多くの場面で使われている英単語。スラングというよりも一般的な言葉に近いものです。


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【picky / 形容詞 / 選り好みをする様子。気難しい様子。】

選り好みや好き嫌いをする様子を表す形容詞です。「ピックアップする(選ぶ)」などとも言われる”pick(動詞)”が元になってますね。例えば“picky eater”「食べ物の好き嫌いをする人」という意味になります。

アスペ(ASD)の人は、いろいろな場面でpickyになりがちなもの。特に多いのは食べ物に関する選り好みや好き嫌い。食べ物の選り好みと言っても、その理由はアレルギーのせいであったり、感覚的に好ましくなかったりなど様々なものが考えられます。

特に後者に関しては、アスペゆえに感覚が生まれつき過敏または鈍感→過敏さが原因で擦り切れたり、鈍感さが原因で無理をしすぎて、気分や体調が悪くなってしまう→それに伴って思考力も低下し、食べ物を摂る際に極端な選り好みをしてしまう、というケースも多いのでは、というのが僕の印象です。

例えば、食べたことのない食べ物を見た目の印象や手触りだけで避けるといった場合。僕は小さい頃、保育園の給食で出てくる八宝菜がとても苦手でした。特有のネットリした食感に耐えられなかったんです(今は平気)。それをきっかけに、ネットリとは直接関係ない、八宝菜に入ってる具そのもの(ウズラの卵やタケノコ、キクラゲなど)まで避けていた記憶があります。

自分の感覚は本当は何を好んで、何を苦手としているのか。一時的な感情での好き嫌いを超えてそれを掴むには、経験と思考を重ねる必要があると思います。特に日本は、食べ物や食事作法に関する礼儀が比較的厳しい国。こうした礼儀に対して疑問に感じること自体が失礼だと見なされることも多々あるため、思考を重ねる機会が少ないのかもしれません。お国柄難しいのかもしれませんが、食べ物や料理について良く考えて、まずは毎日の食事の中から、自分の感覚をうまく把握していけたらいいですね。

海外のコミュニティの中では、テントントさんはどんな存在なのか。これからもスラングの紹介を通して、英語圏の文化・テントントさんたちに関わる文化について考えてみたいと思います。お楽しみに!